千葉県皮膚科医会「皮膚病のトピック:ニキビ(アクネ)を知ろう」のページです。
専門家によるニキビ(アクネ)を知ろうのトピックをご紹介します。
ニキビ(アクネ)を知ろう
たかがニキビといいますが、ニキビは若い人達の生活の質(Quality Of Life)を著しく損ねます。ニキビは皮膚科の医療機関で治療することができます。ニキビを知って治療をし、明るい気持ちで生活しましょう。
ニキビの種類
- <微小面皰・黒ニキビ・白ニキビ>
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ニキビは皮脂を分泌する毛穴がつまるところから始まります。微小面皰と呼ばれ、ニキビの元です。微小面皰の中に皮脂や角質(死んだ細胞)がたまります。毛穴が開いて中身が見えている状態を黒ニキビ、毛穴が閉じている状態を白ニキビといいます。
- <赤ニキビ>
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この白ニキビや黒ニキビの皮膚に常在する皮脂をエサとしている「アクネ桿菌」が繁殖し炎症をおこすと皮膚に赤い発疹がポツポツと出てきます。これを赤ニキビと呼びます。
- <黄ニキビ>
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更に炎症が悪化して膿が溜まると「膿腫」と呼ばれる最終段階まで悪化した状態になります。
ここまで悪化してしまうと多くの場合、皮膚の深い所(真皮)まで傷がついてしまうので、炎症が治まった後もクレーターの様な跡が残ってしまいます。
発症年齢によるニキビの呼び方
- <思春期ニキビ>
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思春期ニキビは小学校高学年~18歳の年頃に子供の体から大人の体へと移行する時にホルモン分泌が盛んになって引き起こされます。
男の子はアンドロゲンと呼ばれる「男性ホルモン」女の子は黄体ホルモンと呼ばれる「女性ホルモン」が皮脂の量を増やします。
過剰に分泌された皮脂で毛穴が詰まり、皮脂をエサとするアクネ桿菌が繁殖してニキビが形成されます。大半のニキビはこの思春期ニキビです。思春期ニキビはホルモンが年齢と共に安定してくると通常自然に改善してゆきます。
- <大人ニキビ>
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日々のストレスでニキビの原因となるアンドロゲンが多く分泌される様になり皮脂分泌が多くなります。また、メイクによる化粧品が原因のニキビもあります。
治療薬
ニキビは初期に、重症になる前に、そして跡になってしまう前に治療していただく事が大事です。
- ●白ニキビ・黒ニキビ
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アダパレン
- ●赤ニキビの軽症
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アダパレンと外用抗菌剤
- ●赤ニキビの中等症、重症、黄ニキビ
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アダパレンと外用及び内服抗菌剤
以上の治療が推奨されています。(日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインによる)
いずれも保健適応があります。
通常のお手入れと治療薬の塗り方
朝晩35℃のぬるま湯を用い、洗剤を泡立てて泡でやさしく洗います。
(洗顔は1日2回で十分です)その後に、薬を外用します。アダパレンを使用している方は洗顔後、保湿(化粧水等)をしてから1日1回アダパレンを患部を含め広めに塗ります。
化粧は軽めに(パウダリーファンデーション程度)にして下さい。
皮膚科医療機関を受診していただく事で大半の患者様はよくなります。お気軽に皮膚科へお越し下さい。(千見寺 ひろみ)